美しい川の流れと緑に囲まれた渓流キャンプは最高の贅沢ですが、そこで最も恐れられているのがブヨの襲撃です。私が長年キャンプを続ける中で観察してきた結果、ブヨに狙われやすい人には明確な行動パターンの傾向があることが分かりました。まず最も顕著なのが、服装の色の選択です。ブヨは暗い色を好む習性があり、特に黒や紺、濃い茶色といった色彩に強く引き寄せられます。おしゃれなアウトドアウェアとして黒いタイツやネイビーのシャツを選ぶ人は多いですが、これはブヨからすれば森の中で最も目立つ標識を立てているようなものです。逆に、白やベージュ、黄色などの明るい色を身に着けている人は、驚くほど被害が少ない傾向にあります。これは視覚的なコントラストの問題であり、ブヨが自身の安全を確保しつつ接近しやすい環境を選んでいる結果と言えます。次に、お酒を楽しむ習慣がある人も要注意です。キャンプの醍醐味であるビールやウイスキーですが、アルコールを摂取すると体内で分解される過程で二酸化炭素の排出量が増え、同時に皮膚の血管が拡張して体温が上昇します。この変化をブヨは見逃しません。宴会が盛り上がっているグループの中で、お酒を飲んでいる人だけが執拗に足を噛まれる光景はよくある話です。また、川遊びに夢中になって肌を露出させている人も当然ながら標的になります。ブヨは蚊のように衣服の上から刺す力は弱いため、露出している足首や手首を集中的に狙います。特に川から上がったばかりの濡れた肌は、気化熱で体温が下がっているように思えますが、実際には水分の蒸発とともに匂いが拡散されやすくなっており、ブヨを呼び寄せる原因となります。さらに、動きが少ない人も狙われやすい傾向があります。ブヨは非常に小さいため、一度止まってしまえば気づくのが困難です。じっと椅子に座って読書をしたり、釣りをしたりしている時間は、彼らにとって絶好の食事タイムとなります。逆に、適度に動き回っている人や、団扇などで風を送っている人は、物理的に着陸を阻止できるため被害が軽減されます。キャンプ場での過ごし方一つで、ブヨに好かれるか嫌われるかが決まると言っても過言ではありません。自分の行動がブヨにとってどのような信号を送っているのかを意識するだけで、翌朝のパンパンに腫れ上がった足に悩まされるリスクを大きく減らすことができるのです。
渓流キャンプでブヨの被害に遭う人の傾向