清潔にしているはずの部屋で銀色に光る奇妙な虫を見つけてしまい背筋が凍るような思いをしたことはありませんか。その正体はシミ(紙魚)と呼ばれる害虫でありもし部屋にシミという虫が一匹いたらそれはあなたの掃除方法や環境管理に何らかの死角があるという警告信号であると受け止めるべきです。シミは基本的に光を嫌う陰性光趨性(いんせいこうすうせい)の性質を持っているため日中は家具の裏側や畳の隙間、巾木と床の間、あるいは本のページの間などに隠れており私たちが目にすることは稀です。それにもかかわらず明るい場所や視界に入る場所に彼らが現れたということは隠れ場所がすでに定員オーバーになっているかあるいは彼らにとって居心地の良い環境が部屋全体に広がってしまっている可能性があります。シミ対策の基本にして奥義は「徹底的な掃除」と「乾燥」に尽きますがここで言う掃除とは単に掃除機をかけるだけでは不十分です。彼らはわずかな隙間に入り込む達人であるため家具を動かして裏側のホコリを除去し巾木の上のわずかな堆積物やクローゼットの隅に溜まった繊維クズなどを完全に取り除く必要があります。特に注意すべきは彼らの餌となる「デンプン質」を含むホコリです。キッチン周りの小麦粉の粉塵や飛散した米粒の欠片、あるいは子供がこぼしたスナック菓子のカスなどは彼らにとってのご馳走でありこれらが家具の下に残っている限り彼らは飢えることなく繁殖を続けます。また本棚の掃除も欠かせません。本を詰め込みすぎていると通気性が悪くなり湿気がこもるため定期的に本を取り出して風を通し棚板のホコリを拭き取る「虫干し」を行うことが重要です。さらに重要なのが湿気対策です。シミは乾燥した環境では脱皮不全を起こして死滅するため部屋の湿度を五十パーセント程度まで下げることは殺虫剤を撒く以上に強力な駆除効果を持ちます。晴れた日には窓を開けて換気を行い雨の日や梅雨時期には除湿機やエアコンのドライ機能をフル活用して湿度をコントロールしてください。もし一匹いたらそれは「もっと換気をして隅々まで掃除をしてくれ」という家からのSOSだと捉え休日の予定を変更してでも大掃除に取り組む価値があります。その行動こそが不快な銀色の訪問者を永遠に締め出すための唯一の道なのです。