家に侵入してきた蜂への対処法は、その種類によって、求められる慎重さのレベルが大きく異なります。敵の正体を知ることは、適切な行動を選択するための第一歩です。日本家屋に侵入してくる代表的な蜂の種類と、それぞれの危険度、対処法の違いを解説します。まず、最も遭遇する機会が多く、比較的危険度が低いのが「ミツバチ」です。体は丸っこく、全体的に黄褐色の毛で覆われています。性格は非常に温厚で、こちらから危害を加えない限り、まず刺してくることはありません。ミツバチが部屋に入ってきた場合は、慌てる必要は全くありません。窓を開けておけば、しばらくすると自分で外へ出ていきます。次に、注意が必要なのが「アシナガバチ」です。ミツバチよりも体が細長く、飛ぶ時に後ろ脚をだらりと垂らすのが特徴です。巣を守る本能が強いため、巣の近くでは攻撃的になりますが、一匹で迷い込んできた場合は、比較的おとなしいです。アシナガバチの場合も、基本的には刺激せず、窓を開けて自然に出ていくのを待つのが最善策です。殺虫剤などで攻撃すると、仲間を呼ぶ警報フェロモンを出すことがあるため、注意が必要です。そして、最も危険度が高いのが「スズメバチ」です。他の蜂に比べて体が大きく、オレンジや黄色の縞模様がはっきりしており、「カチカチ」という威嚇音を出すことがあります。スズメバチは非常に攻撃性が高く、毒性も強いため、絶対に素人が手を出してはいけません。もしスズメバチが家の中に入ってきた場合は、刺激しないように静かに部屋から退出し、扉を閉めて蜂を室内に閉じ込めます。そして、窓を開けて自然に出ていくのを待つか、それが難しい場合は、迷わず専門の駆-除業者や、自治体の相談窓口に連絡しましょう。特に、オオスズメバチやキイロスズメバチは、些細な刺激でも猛然と襲ってくる可能性があります。自分の命を守ることを最優先に考え、プロに助けを求める勇気が何よりも大切です。
蜂の種類別、危険度と対処法の違い