DIYでの駆除に限界を感じ、専門業者に依頼した場合、プロは一体どのような方法で、この厄介なキクイムシを根絶やしにするのでしょうか。彼らは、私たち素人では到底不可能な、専門的な知識と機材、そして強力な薬剤を駆使して、見えない敵を徹底的に叩きます。専門業者が行うキクイムシ駆除の最大の特徴は、被害状況に応じて複数の工法を使い分ける点にあります。まず、基本となるのが、DIYでも行う「穿孔注入処理」です。しかし、プロは専用の機材を使い、より高い圧力で薬剤を木材の深部まで浸透させます。また、虫孔だけでなく、怪しいと思われる場所にドリルで小さな穴を開け、そこからも薬剤を注入することで、内部に潜む幼虫をより確実に仕留めます。次に、被害が表面だけでなく、床下や壁の内部など、広範囲に及んでいると判断された場合に行われるのが、「木部噴霧処理」です。これは、床下に潜ったり、壁の一部を剥がしたりして、被害を受けている木材の表面全体に、残効性の高い薬剤を噴霧器で吹き付けていく方法です。これにより、木材の表面に薬剤のバリア層を形成し、新たに成虫が出てくるのを防いだり、外部から産卵されるのを防いだりします。そして、最も大掛かりで、しかし最も確実な方法が、「ガス燻蒸処理」です。これは、家全体を巨大なテントのようなシートで覆い、内部にガス状の殺虫剤を充満させて、家中の木材の内部に潜むキクイムシを、卵、幼虫、蛹、成虫の全てのステージで根こそぎ死滅させるというものです。数日間、家を空ける必要がありますが、その効果は絶大で、他の木材害虫も同時に駆除できるというメリットもあります。業者に依頼する際の費用は、被害の規模や工法によって大きく異なりますが、数万円から、ガス燻蒸の場合は数十万円以上かかることもあります。しかし、多くの業者は作業後の保証期間を設けており、期間内に再発した場合は無料で再施工してくれます。家の資産価値と、日々の精神的な平穏を取り戻すための、最終手段として、プロの力を借りるという選択肢は、非常に賢明な判断と言えるでしょう。
プロはここまでやる!専門業者によるキクイムシ駆除方法