ある都内のマンションで発生したエアコンへのゴキブリ頻出事例を調査した際非常に興味深い因果関係が明らかになりました。相談者の部屋は清潔に保たれていましたがなぜかエアコンの吹き出し口から小さな幼虫が何度も現れるという問題に悩まされていました。調査の結果発生源は室内ではなくベランダに置かれたエアコンの室外機周辺にありました。室外機のすぐ横には家庭菜園用の植木鉢が並べられその下には水やりの影響で常に湿った土と古い段ボールが放置されていました。段ボールは保温性が高く湿気を吸うためゴキブリにとってはこの上ない繁殖拠点となります。そこで増えた個体が水分と暗闇を求めて室外機の裏側に潜り込みドレンホースを伝って室内機へと侵入していたのです。この事例から学べる教訓はエアコンの防虫対策は室内機だけでなく室外機の設置環境から始まっているという点です。対策として最初に行ったのはベランダの不要な段ボールの撤去と室外機周辺の清掃です。さらにドレンホースの先端に防虫キャップを取り付け地面から五センチ浮かせるように固定しました。これだけで数日後には室内での遭遇がゼロになりました。また室外機のアルミフィンの隙間に詰まった枯れ葉やホコリも高圧エアーで除去しました。ここが汚れていると排熱効率が落ちるだけでなく小さな虫の住処となりそれを追ってゴキブリが集まる原因になるからです。もう一つの対策として室外機の周囲に害虫が嫌う忌避剤を散布しました。これにより外から飛来する個体がベランダに定着するのを防ぐバリアを形成しました。多くの人が室内ばかりに目を向けがちですがエアコンは外と中を繋ぐ一つのシステムとして機能しています。外側の環境が汚れていればどれほど室内を綺麗にしても侵入を完全に防ぐことはできません。室外機の周りを整理整頓し風通しを良くすることはエアコンの負荷を減らして電気代を節約するだけでなく住居全体の防虫レベルを引き上げることに直結します。マンションの高層階であってもゴキブリは壁を登ったり排水管を伝ったりしてやってきます。ベランダを物置代わりにせず常に清潔に保つことがエアコンを清潔な状態に維持するための最短距離であるということが今回の事例研究によって改めて証明されました。