蜂用殺虫スプレーは便利な道具ですが、その手軽さゆえに安易な使い方をしてしまい、かえって危険な事態を招くケースが後を絶ちません。自分や家族の安全を守るためにも、絶対にやってはいけない間違った使用法を理解しておくことが重要です。最も危険な行為の一つが、日中の明るい時間帯に巣へスプレーを噴射することです。日中は多くの働き蜂が巣の外で活動しており、巣に残っている蜂はごく一部です。この状態で巣を攻撃しても、外にいる大多数の蜂を駆除することはできません。それどころか、巣が攻撃されたことを察知した働き蜂が一斉に巣に戻り、攻撃モードで襲いかかってくる可能性があります。日中の駆除は絶対に避けるべきです。また、巣に対して短時間だけスプレーを吹きかけるのも非常に危険です。数秒噴射しただけで蜂が落ちてこないと、効果がないと判断して近づいたり、作業を中断したりする人がいますが、これは最悪の判断です。薬剤が全身に行き渡っていない蜂は、一時的に動けなくなっているだけで、すぐに回復して猛然と反撃してきます。一度攻撃を始めたら、巣が完全に沈黙するまで、たっぷりと薬剤を噴射し続ける覚悟が必要です。室内に入ってきた一匹の蜂に対して、慌ててスプレーを噴射するのも注意が必要です。薬剤が部屋中に飛散し、家具や食器にかかってしまうだけでなく、吸い込んでしまう恐れもあります。室内の場合は、窓を開けて自然に出ていくのを待つか、殺虫成分の入っていない冷却タイプのスプレーを使用するのが安全です。さらに、蜂の巣の大きさを過小評価することも危険です。直径が十五センチを超えるような大きな巣や、スズメバチの巣に対して、市販のスプレーだけで対処しようと考えるのは無謀です。これらの蜂の攻撃性は非常に高く、素人が手を出せるレベルではありません。少しでも危険を感じたら、迷わず専門の駆除業者に相談する勇気が、何よりも大切な自己防衛策なのです。
絶対ダメ!蜂スプレーの間違った使用法が招く危険