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なぜ蜂は家の中に入りたがるのか
蜂が家の中に入ってくるのは、決してあなたを攻撃するためではありません。そのほとんどは、蜂自身の習性や、私たちの生活環境が引き起こす、偶発的な出来事なのです。蜂が室内に侵入してくる、いくつかの代表的な理由を知っておきましょう。まず、最も多い理由が「偶然の迷い込み」です。蜂は、餌を探したり、巣作りの場所を探したりするために、広範囲を飛び回っています。その過程で、開いていた窓やドアから、たまたま室内に入り込んでしまうのです。特に、庭に花が咲いていたり、近くに樹木が多かったりする家は、蜂が飛来する機会が多く、侵入のリスクも高まります。次に、「光に誘われる」という習性です。多くの蜂は、明るい場所に向かって飛ぶ「正の走光性」という性質を持っています。夜間、室内の照明が煌々とついていると、それに誘われて網戸などに集まってきます。そして、網戸のわずかな隙間や、人が出入りする一瞬を狙って、侵入してくるのです。また、意外な侵入経路となるのが「洗濯物」です。白いシーツやタオルは、蜂にとって花の蜜がある場所と誤認されやすく、そこに引き寄せられることがあります。そして、洗濯物を取り込む際に、それに気づかず、一緒に蜂を室内へ入れてしまうのです。甘い匂いも、蜂を引き寄せる原因となります。ベランダでジュースを飲んでいたり、熟した果物を置いていたりすると、その匂いに誘われて蜂が寄ってくることがあります。さらに、春先には、冬眠から目覚めた女王蜂が、新たな巣を作る場所を求めて、家屋の軒下や換気扇のフード、屋根裏などを偵察に訪れることがあります。その際に、室内へ迷い込んでしまうケースも考えられます。これらの理由を知ることで、窓を開けっ放しにしない、夜はカーテンを閉める、洗濯物を取り込む際はよく確認するといった、具体的な予防策へと繋げることができるのです。